冬至も過ぎ、1年で最も寒いと言われるあの悪名高き(?)「大寒」が近づいています。
長期予報によると1月は概ね「暖冬」と出ていますが(23年末時点)、それでも大寒の時期は寒いのは間違いありません。
日本には、季節を象徴する伝統的な区分(二十四節気)があり、その一つが「大寒」です。
一般的にはこの日の背景や意味について、意外と多くの人が大寒について詳しく知られていないことが多いですね。
大寒の日付は毎年少し変わることがあり、その理由や決まり方は少々複雑です。
今回は2024年の大寒にスポットを当て、その意味や特徴を詳しくご紹介します。
2024年の大寒はいつ?
2024年の大寒は「1月20日」とされています。大寒の日は年によって1月19日や21日に変わることもありますが、2052年までは1月20日が基本です。
この日付がなぜ変わるのか、どのように決定されるのか、これから説明していきましょう。
大寒の主な特徴
大寒には、以下の二つの大きな特徴があります。
・一年で最も寒い時期
・寒中見舞いを送る時期
特徴 1: 寒さが最も厳しい時期
大寒は、一年で最も寒さが厳しい時期として知られています。気象データによると、日本では特に1月26日から2月4日までが最も寒い期間とされています。
冬至(12月22日ごろ)は日照時間が最も短く、太陽の高度が低い時期ですが、実際に最も寒くなるのはその約1ヶ月後。これは地球が温まるのに時間がかかるためです。
特徴 2: 寒中見舞いの時期
大寒はまた、寒中見舞いを送る時期でもあります。
小寒(1月5日ごろ)から立春(2月4日ごろ)までが「寒」の期間とされ、この時期に送る挨拶状が寒中見舞いです。
正月の間は年賀状を送るのが一般的ですが、松の内が過ぎた1月8日から2月4日までが寒中見舞いのメインの時期となります。
大寒の意味とは?
次に、大寒の意味について掘り下げていきます。大寒は、「立春」「立夏」「立秋」「立冬」「春分」「夏至」「秋分」「冬至」などと同じく、二十四節気の一つとして位置づけられています。
一年を24に分けた季節の区分であり、各節気は地球と太陽の相対的な位置によって定められています。
地球は太陽を中心に一年で一周することから、この周期が季節の変化を生み出します。
地球と太陽の関係性と二十四節気
地球は毎日自転しながら、一年かけて太陽の周りを公転します。
この公転によって地球と太陽の位置関係が日々変わります。これを理解するために、地球を固定点とし、太陽が地球の周りを動いていると考えます。
この視点から太陽が通る道を「黄道」と呼びます。
太陽はこの黄道上を一年間で360度動きます。そして、この黄道を24等分した各点が二十四節気を表しています。
太陽がこれらの点を通過する日が、それぞれの節気の日付になるのです。
特に、大寒の場合は黄経300度の位置に相当し、これが1月20日にあたる理由となっています。
地球の公転周期は365.24219日とわずかに365日より長いため、4年に1度の閏年が節気の日付の微妙な変動に影響を及ぼします。
2024年の二十四節気の日付一覧
2024年の他の二十四節気については以下の通りです。
■春
立春(2月4日)
雨水(2月19日)
啓蟄(3月5日)
春分(3月20日)
清明(4月4日)
穀雨(4月19日)
■夏
立夏(5月5日)
小満(5月20日)
芒種(6月5日)
夏至(6月21日)
小暑(7月6日)
大暑(7月22日)
■秋
立秋(8月7日)
処暑(8月22日)
白露(9月7日)
秋分(9月22日)
寒露(10月8日)
霜降(10月23日)
■冬
立冬(11月7日)
小雪(11月22日)
大雪(12月7日)
冬至(12月21日)
大寒に食べると縁起が良い食べ物
1年中で一番寒い大寒に、食べると縁起が良いとされる食べ物があります。
紹介したいと思います。
大寒卵
この卵は、2024年1月20日の土曜日、つまり大寒に産まれた卵のことを指します。
昔の鶏は、冬を前にしてたくさんの餌を食べて栄養を溜め込み、冬に入ると卵を産むのをやめてじっとしていました。
このため、大寒の時期に産まれた卵は、他の季節に産まれた卵よりも栄養価が高いとされています。
この背景から、「大寒卵」という名前がつけられ、幸運の象徴として大切にされてきました。
しかし、現代では卵の栄養価を一年中安定させるための技術が発展しています。
それでも、「大寒卵」は過去に卵が大切な栄養源だったことの名残として、今もなお縁起がいいとされています。
栄養豊富なこの卵は、健康や病気からの保護、さらにはその濃厚な黄身の色から財運を呼び込むとも言われています。
寒餅
大寒の朝に汲んだ水は「寒の水(かんのみず)」と呼ばれ、縁起物として知られています。
そしてこの「寒の水」で炊いた米でついた餅のことを「寒餅(かんもち)」と呼び、大寒に食すると縁起がいいと言われています。
まとめ
こうして見ると、2024年の大寒は1月20日にあり、この日は一年で最も寒い時期に差し掛かり、寒中見舞いを送る時期でもあります。
また、大寒は太陽と地球の相対的な位置関係に基づいて決まる「二十四節気」の一部で、年によって日付が変わることもあるのです。
日本の伝統的な季節区分を理解することで、自然のリズムや文化の深さに触れることができます。
「冬来たりなば春遠からじ」暖かくして、皆で大嫌いな大寒を乗り切りましょう。春は近いです。