暑中見舞いや残暑見舞いは有名ですが、寒中見舞いや余寒見舞いは、一般的にあまり馴染みがないようです。
年始に年賀状を送るタイミングを逃したり、喪中で年賀状を控える場合、一般的には寒中見舞いを用います。しかし、その時期を過ぎてしまった場合には、余寒見舞いが適切です。
この記事では、2024年における余寒見舞いの意味から、正しい送り方、参考文例やテンプレートについて詳しく説明します。
余寒見舞いとは?
「余寒(よかん)」とは、立春(2月4日頃)以降に感じる寒さを指し、季節の変わり目に特有の寒さを表します。
これは、「寒」という言葉が二十四節気の「小寒」から「大寒」までの約30日間を示すことから来ています。
この時期を「寒中」と呼び、寒中見舞いを送る習慣があります。立春の翌日からの寒さが「余寒」とされ、「寒の明け」とも言います。
余寒見舞いの目的は、寒中見舞いと同様に、相手の健康や無事を祈り、お互いの近況を伝え合うことです。喪中で年賀状を出せなかった場合の返礼としても用いられます。
余寒見舞いの時期
余寒見舞いは立春後に送るもので、具体的には2月4日から2月下旬が一般的な期間です。ただし、地域によって寒さの程度が異なるため、寒い地域では3月上旬まで送るのが適切とされています。
2024年では、一般的には2月4日から2月29日まで、寒い地域では2月4日から3月10日までが適切な送り時とされています。
余寒見舞い用はがきの選び方について
余寒見舞いの書き方
余寒見舞いの基本的な書き方は以下の通りです。
季節の挨拶を書き出します。
例: 「余寒お見舞い申し上げます」
相手の健康や近況に関する言葉、相手の無事を祈る言葉を添えます。
日付を記載します。
例: 「令和6年2月」「2024年2月〇日」
余寒見舞いでは、句読点を使わないのが一般的ですが、現在では必ずしもその限りではありません。読みやすさを考慮し、空白や改行を活用しましょう。
余寒見舞いの文例
以下に、様々なシチュエーションに合わせた余寒見舞いの文例をご紹介します。
年賀状を出し忘れた場合の文例
「余寒お見舞い申し上げます。新年のご挨拶が遅れてしまい、申し訳ありません。皆様が健康で穏やかな日々をお過ごしの様子に安心しております。寒さが続いておりますので、どうぞご自愛ください。本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。令和6年2月」
喪中だったことを知らずに年賀状を受け取ったときの文例
「余寒お見舞い申し上げます。新年のご挨拶を賜り、感謝申し上げます。皆様が新年を健やかに迎えられたことを心から喜んでおります。昨年〇月に家族を亡くし、年末年始の挨拶を控えさせていただきましたこと、お詫び申し上げます。未だ寒さが厳しい時節ですので、皆様の健康と幸福をお祈りしております。令和6年2月」
喪中に年賀状を出してしまったときのお詫びの文例
「余寒お見舞い申し上げます。先日、ご服喪中にも関わらず年始状をお送りし、無礼を働いてしまいました。深くお詫び申し上げるとともに、故人のご冥福をお祈りいたします。寒さが続く中、皆様のご健康を心より祈っております。2024年2月」
一般的な季節の挨拶の文例
「余寒お見舞い申し上げます。暦の上では春を迎えているものの、まだ寒さが厳しい日々が続いています。こちらは何とか元気に過ごしております。どうかお風邪など召されませんよう、ご自愛ください。2024年2月」
これらの文例は、公式的な場面やフォーマルな関係での使用に適していますが、親しい友人や親戚に送る場合は、もう少しカジュアルな表現を用いても良いでしょう。
メールやSNS、電話での簡易的な挨拶も便利ですが、手書きの挨拶状で相手の無事を願うことは、日本の伝統的な美徳を表す素敵な方法です。
まとめ
余寒見舞いは、季節の変わり目における心遣いを表現するものであり、受け取った人に温かい気持ちを伝えることができます。
これらの文例やテンプレートを参考に、自分の言葉で心を込めて書くことが、相手に対する敬意を示す最良の方法となります。
寒さがまだ残るこの時期に、心温まる余寒見舞いを送り、大切な人たちとの絆を深めることができます。