今回は知っているようで、意外と知らない3月の別名である「弥生」がテーマです。
日本では昔から、季節の変わり目を映し出す独特な名称で月々を表
「弥生」に隠された意味や由来、そしてその語源を知ることで、過ぎ去った時代の風景が目に浮かぶかもしれません。
この記事で、そんな「弥生」の世界を探ってみましょう。
弥生とはいつ?弥生の読み方は?
ご存知の方が多いと思いますが、弥生とは3月のことです。
但し現在の3月ではなく、元々は旧暦の3月を表す言葉です。
旧暦は月の満ち欠けを基準にしていたため、新暦の3月と完全には合致しない場合も多々あります。
従って現代の暦に直すと、弥生は3月下旬から5月上旬に当たります。まさに日本列島の桜前線と被るんですね。
残念ながら今日では、旧暦と新暦の3月を一致させ、弥生を新暦の3月の別称としても使っています。
読み方はそのまま「やよい」となります。
弥生の意味と語源
弥生の中の「弥」は「ますます」や「いよいよ」といった意味を、「生」は「植物が繁る」という意味を有しています。
そうすると、「弥生」は、冬が去り植物が新たに生い茂り始める季節を象徴しているわけです。
また、弥生の語源は「木草弥や生ひ茂る月」が省略されて「弥生(いやおい)」となり、それがさらに変化して「やよい」となったというのが一般的な解釈です。
人名でも多い「弥生」さんが単に3月生まれというだけでなく、親御さんの願いが込められた素敵な名前だと改めて感じます。
3月「弥生」のその他の別称・和風月名?
3月には、弥生の他にもいくつかの名前があります。
晩春(くれのはる・ばんしゅん):春の終わりを意味する。
雛月(ひいなつき):ひな祭りを祝う月。
桃月(とうづき):桃の花が開花する時期。
花惜月(はなおしみづき):春の花が散り始める頃。
花つ月(はなつづき):花が美しく咲き誇る季節。
花見月(はなみづき):桜が満開になり、お花見が楽しめる時期。
これらはほんの一例で、ここで全てを紹介するのは難しいほど、さまざまな3月の別称が存在します。
3月・弥生は、弥生時代と関係ある?
稲作が始まった時代に弥生時代というものがありますが、なんとなく先述した草木が生
しかし残念ながら草木云々の3月の弥生と弥生時代とは全く関係がありません。
弥生時代は東京都文京区にある弥生から出土した土器が由来です
つまり地名から弥生式土器と呼ばれ、弥生時代というネーミングが
3月・弥生の時候の挨拶
上旬
- 早春の候
- 初春の候
- 浅春の候
- 春暖の候
- 啓蟄の候
中旬
- 春分の候
- 仲春の候
下旬
- 解氷の候
- 春寒の候
「弥生」という言葉を通じて、3月のもつ独特の意味や季節感について理解を深めることができます。